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基礎の鉄筋って錆びていいの?

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木造の新築住宅を建てる時に基礎工事をしますよね。
その基礎は鉄筋コンクリートで作られています。

ある方が、基礎の鉄筋がさびてしまってるのですが大丈夫ですか?
というご質問があったので、そのことについて書く事にしました。

鉄筋コンクリートって何?

鉄筋コンクリートとは、コンクリートに鉄筋を芯のように埋め込んだ物のこと!

Reinforced Concreteを略して、「RC」と呼びます。
よく鉄筋がむき出しになっている、古いコンクリートを見たことがありませんか?コンクリートに鉄筋がたくさん刺さっていますよね。
あれは鉄筋とコンクリートを組み合わせることによって、強度をさらに高めているんです。
また、鉄筋とコンクリートを組み合わせているのは、お互いの弱点を補うためでもあります。
鉄筋とコンクリートの特徴は以下の通り。

・鉄筋引っ張る力が強いが、錆や熱に弱い。
・コンクリート圧縮力が強く熱にも強いが、引っ張る力が弱い。

2つの特徴を見ると、ちょうどお互いの弱点が補える関係にあることがわかりますよね。
こうして強度を上げ
ることによって現在では建築材料としてよく使われています

鉄筋コンクリートの性質

鉄筋コンクリートの性質には、主に以下のようなものがあります。
・音を通しにくい
・水に強い
・火に強い
・地震に強い
・形を作るのに適している

鉄筋コンクリートが多いほど音を通しにくく、壁などに使えば防音効果が期待できます。まさにマンションがそんな感じですね♪
また、水や火に強い特徴があり、長い間使うことに適しています。
水を通さないので、中の鉄筋がすぐに錆びることはありません。
また、鉄筋コンクリートが基礎に使われるようになったのは、形を作ることに適している性質があるから。
液体の状態で型に流し込めば、その状態で固まってくれるのは、効率も良く、とても自由に形が作れます。
これらの性質を見ると、建物に使われる理由がわかりますね!
基礎だけに限らず、鉄筋コンクリートを使うと、音、水、火、衝撃にも強い建物ができるんですよ。

鉄筋コンクリートで作った基礎は強いの?

鉄筋コンクリートの説明でもいいましたが、強度を高めるために組み合わせて作られた物なので、基礎は強いです!

鉄筋コンクリートの基礎を強くする秘訣は作り方にある!

鉄筋コンクリートは、お互いの弱点を補っているので強い基礎です

しかし、基礎というのは建物を支えているとても重要な部分。
いくら鉄筋コンクリートを使っていても、作り方
次第で基礎の強さや寿命が大きく変わってきます。
あまり専門的なことが多くなると分かりにくいので簡単にいうと、鉄筋コンクリートの基礎をより強くするためには、主に次のことが重要になってきます。

・コンクリートの密度を高くする
・コンクリートを分厚くする
・作業は正しく丁寧に行う

密度

コンクリートの密度とは、しっかりと固めること。
コンクリートを流し込んでから、バイブレーターという機械を使って空気を抜いていきます。

コンクリート内に空気が多いと、基礎が弱くなりますので重要な作業なんです。
また、セメントと水を混ぜてコンクリートを作りますが、この時にセメント量が多いと、強い基礎になります。

厚さ

密度の他に、コンクリートの厚さも重要。
一応専門的には、「かぶり厚」といいます。
この厚さで鉄筋コンクリート基礎の寿命が決まるんです。
鉄筋コンクリート自体の寿命が100年以上でも、作り方次第で寿命を短くするということ。
コンクリートが厚いほど強度が増し、鉄筋が守られるので錆も防ぎます。

コストがかかることなので限度がありますが、可能な限りコンクリートを分厚くするよう業者と相談してみましょう。

作業の丁寧さ

基礎の作業は正しく丁寧に行うのが最も重要!
基礎を作る作業があまりにも早い業者は、信用しないほうがいいかなと思います。

鉄筋が錆びていてもいいのか?

ではタイトルにもあった「鉄筋の錆」についてです。

錆は劣化してるというイメージが強いので、鉄筋が錆びると強度も下がると思っている方がほとんど。
確かに、鉄筋の内部まで錆びきっていれば、もちろん使い物にならないです。

しかし、鉄筋は新品よりも表面が錆びているくらいの方が強度が高いんです♪
実は、鉄筋の錆はコンクリートとしっかり絡みやすいので、錆が全くない新品の鉄筋よりも強い基礎が作れます。
しかも、鉄筋が錆びても、コンクリートに含まれる「アルカリ性」で中まで錆びるのを防ぐ効果もあります。
鉄筋とコンクリートの組み合わせは、強いだけでなく、相性も抜群。
そのため、鉄筋が錆びていても心配いりません。
業者によって多少錆の判断が変わりますが、鉄筋の表面がある程度錆びていても大丈夫
なんです。

鉄筋の錆は業者によって意見が違うのはなぜ?

鉄筋の錆に対する意見は業者や、作業を担当する人によっても意見が分かれます。
表面の錆なら大丈夫だというところもあれば、ちょっとの錆も許さないところがあるんです。
作業途中に鉄筋の錆を発見したら、やり直しをする徹底したところも…。

なぜそこまで意見が分かれるかというと、民間の工事と、公共の工事では鉄筋の錆に対する感覚が違うからだと言えます。
だいたい民間の工事では、表面に錆がある鉄筋を気にせず使うことが多く、公共の工事では、少しの錆も許さない傾向があるんです。
つまり、感覚の違いで鉄筋の錆に神経質になっているだけなので、そこまで気にしなくても大丈夫なんです

鉄筋コンクリートでできた基礎のベタ基礎と布基礎の違は?

まず、建物の土台の下に鉄筋コンクリートの基礎が必要です。
基礎は地面の下で、建物を支えてくれるとても重要なもの
この基礎がないと、どれだけ頑丈な材料で建物を建てられても、意味がないんです。

直接基礎の中の「ベタ基礎」と「布基礎」という種類。
あまり聞きなれない言葉だと思いますが、そんな鉄筋コンクリートでできた基礎の話をご紹介します。

ベタ基礎とは?


ベタ基礎は、建物の床を面で支えている基礎のことです。
面で支えることで、強度が高くなり、耐震性も上がります。
ベタ基礎のほうが耐震性があるので、地震の多い日本における近年の建物はほとんどこのベタ基礎で作られていることが多いんです。
ベタ基礎は、面で支えられていることで地面の湿気が伝わりにくく、建物の長持ちや、白アリ防止のメリットもあります。
いいことばかりなベタ基礎ですが、面で支えている分鉄筋コンクリートをたくさん使わなくてはいけません。
当然費用も高くなるのは、唯一のデメリットですかね。

布基礎とは?



Wikipediaから引用

面で支えているのがベタ基礎、点だけで支えされているのが布基礎です。
見た目は変わりませんが、支えられている面が少ない分、強度や耐震性はベタ基礎に比べて低め。
コンクリートの厚さも、ベタ基礎に比べて約半分の薄さです。
これは、デメリットでもありますが、費用が抑えられるのはメリットです。
ベタ基礎の方が圧倒的にいいと思いますが、冬に地面が凍ってしまう場所では、この布基礎が役に立ちます。
例えば北海道などの、凍結深度が決められている場所では、その深さを考えて土を掘って基礎を作るんです。
より深く基礎を作ると、ベタ基礎では費用がものすごく上がる…。
掘った土を片付ける費用もかかりますからね。
そんなときに、布基礎なら費用も抑えられるのです。

辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書より引用

 

ベタ基礎と布基礎は費用と土地で決める!

ベタ基礎と布基礎の違いは、「面」か「点」で支えられていることがお分かりいただけたでしょう。
これからもベタ基礎がもっと普及してきますが、冬に地面が凍る土地の場合は、布基礎を検討したほうがいいということです。

独立基礎とは?


辞典・百科事典の検索サービス - Weblio辞書より引用

番外編として、ベタ基礎と布基礎の他にもう1つ「独立基礎」をご紹介します
独立基礎も、直接基礎の種類。
その名の通り、ベタ基礎や布基礎の他に独立して作られる基礎のことです。
主に柱の下に基礎を作り、強度を上げます。

鉄筋を錆びないようにすることはできる?

鉄筋の表面が錆びていても、問題はありません。

しかし、雨などで作業が長引いて外気に晒されているのを見ると、余計に錆びてしまうのではないかと心配になるはず。
確かに、コンクリートを入れる前に作業が長引く場合は、それなりの対策は必要です。
鉄筋が錆びる原因は、酸素や水分、湿気など。
そんな原因を防いで、鉄筋が錆びないようにするためにできることをご紹介します。

シートで覆う

もし作業が長引いて、鉄筋が雨に濡れてしまう場合は、シートをかぶせて雨を防ぎます。
長い期間作業ができないときにはとても手軽な方法。
錆の原因になる酸素や湿気は防げませんが、直接の水を防いでいるだけで錆の進行は防げます。
多少の錆があったほうが、強度の高い基礎を作れると考えるなら、その後コンクリートとの絡み具合を考えてもいい方法です。

防錆剤や錆止めを塗る 

鉄筋の錆を少しも許さない場合は、作業ができない間空気中の酸素からも鉄筋を守らなくてはいけません。
そんなときにおすすめなのは、防錆剤や錆止めを鉄筋に塗ることです。
この錆止めなどは、綺麗な状態の鉄筋に塗り、錆が発生しないようにする物のこと。
元から錆びている鉄筋を綺麗にする物ではありません。
錆専用の塗料なので、効果はあります。
ただ、注意しなければいけないのが塗りすぎです。
錆を防ごうと、多い量を頻繁に塗ってしまうと、いざコンクリートと一体化させたときに、絡みにくくなり基礎の強度が低くなるんです。
もし防錆剤や、錆止めを塗るなら、量や間隔に注意して使用しなければなりません

セメントミルクを塗る

業者によっては、塗らないほうがいいと判断するところもありますが、セメントミルクを塗る方法もあります。
セメントミルクとは、セメントと水を混ぜてミルク状にしたもの。
それを防錆剤と同じく鉄筋に少量塗ることで、コンクリートを入れた状態のように表面が酸素などから守られます。

リン酸で洗っておく

事前に、鉄筋をリン酸で洗うという方法もあります。
リン酸が鉄筋に触れると、鉄筋
に膜が張られます
酸素にも強くなるので、手間はかかりますが効果的ですよ。

基礎の鉄筋についてのまとめ

今回は基礎の鉄筋について書いてみました!
いろいろ話を広げてご紹介しましたが、質問にもあった本題の「鉄筋の錆」は、ある程度なら問題ないということです。
鉄筋は、コンクリートで覆われているのですぐに錆びることはありません。
また、表面が多少錆びている方が、コンクリートと絡んで強い基礎になりやすいことがお分かりいただければ幸いです!
もし今後家を建てる予定がある方は、鉄筋の錆よりも、基礎を丁寧に作ることができる業者かどうかを見抜くことが重要だと思いますよ。

 

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