【完全解説】ボンデ鋼板とは?建築資材から黒板DIYまで使える万能素材のすべて!

こんにちは、藏家(くらや)のいぐらです。
家づくりの現場で日々使っている材料の中には、一般にはあまり知られていないけれど、「暮らしの質」を左右する素材がたくさんあります。
その中でも今回は、地味だけどめちゃくちゃ使える「ボンデ鋼板」について、深〜くお話しします。
しかも、我が家ではそのボンデ鋼板を使って、娘と一緒に黒板の壁を作ったんですよね~♪
今回は、そんな実体験を交えつつ、「この素材がいかにすごいか」「どうやって使えるか」「DIYから業務用まで幅広く使える理由」など、たっぷりお届けします!
目次
ボンデ鋼板とは?
「ボンデ鋼板」という名前を初めて聞く方も多いかもしれません。
ボンデ鋼板とは、簡単に言うと「電気亜鉛メッキが施された鋼板」のことです。
正式名称は「SECC(Steel Electrolytic Cold Commercial)」。
建築や工業、家具、DIYまで、幅広く使われている素材です。
亜鉛メッキのおかげで錆に強く、表面がきれいで、しかも磁石がくっつくという特徴があります。
(ボンデ鋼板素地のまま:ポートアイランドOさんの家木のマンションリノベ現場)
・表面がなめらかで美しいグレー色
・錆に強く塗装しやすい
・加工しやすくDIYにも最適
・磁石がくっつく(これが地味に便利)
この特徴から、建築・家具・電気製品・DIYの各分野で広く活用されています。
なぜ「ボンデ」と呼ばれるの?
「ボンデ」という呼び名は正式な工業用語ではなく、日本国内の俗称です。
由来については諸説ありますが昔、とあるメーカーが販売していた電気亜鉛メッキ鋼板の商品名「ボンデライト鋼板」が広く使われていたことから、通称として「ボンデ鋼板」「ボンデ板」と呼ばれるようになったそうです。
19HOUSEボンデ鋼板の壁
ボンデ鋼板の製造方法と構造
ボンデ鋼板は以下のような工程で製造されます。
1・冷間圧延鋼板(SPCC)を基材とする
→ 薄くて硬く、精度の高い鉄板がベースになります。
2・電気亜鉛メッキ処理(電解メッキ)
→ 均一な厚みで、なめらかな表面のメッキが可能。
(電気亜鉛メッキは、溶融亜鉛メッキに比べて表面が非常にきれいで薄く、均一な厚さのメッキができるのが特徴。
また、加工性や塗装性に優れていることから、屋内用途において特に重宝される素材となっています。
メッキの厚み(g/m²)にも種類があり、たとえばZ12(片面6g/m²)やZ27(片面13.5g/m²)など、使用環境に応じた選定が必要です。)
3・クロメート処理(任意)
→ 表面の防錆性能をさらに高める処理。六価クロム・三価クロムの違いもあり、環境対応も進んでいます。
特徴と性能(メリットと注意点)
◾️ボンデ鋼板のメリット
・耐食性が高い(サビにくい)
亜鉛メッキが鉄の酸化を防ぎます。屋内用途には十分な性能。
・表面が滑らかで美しい
電気メッキ特有のムラのないグレーの表面。塗装下地にも最適。
・加工がしやすい
切る、曲げる、穴あけ、溶接……全部対応可能。
・塗装性が高い
下地処理すれば塗装もバッチリ。黒板塗料などもOK。
・磁石がくっつく!
マグネットボード、掲示板、メモボードにぴったり。
・見た目がきれい
塗装前の状態でもグレー色が上品で美しい。
・材料コストが比較的安価
ステンレスよりもはるかに手頃。
(ポートアイランドOさんの家ボンデ鋼板を壁に張っている所)
◾️ボンデ鋼板の注意点
・屋外での使用には注意
メッキ層が薄いため、直接雨に晒される場所には不向き
・切断面の防錆処理が必要
カットした部分は亜鉛層がないため、錆びやすい
・強く曲げすぎると割れることがある
適切な工具での加工が必要
ボンデ鋼板は用途いろいろ!建築・工業・家具・DIY
分野 | 主な用途 |
---|---|
建築 | 天井・壁の下地材、空調ダクト、屋内パネル |
電気設備 | 分電盤、制御盤の筐体、スイッチボックス |
家電 | 冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機の外装パネル |
家具・什器 | パーテーション、ラック、棚、掲示板など |
DIY・内装 | マグネットボード、黒板塗装ボード、小物収納 |
ボンデ鋼板に黒板塗料を塗ってみた話(娘とのDIY体験)
ここで、いぐら家での「リアル活用例」をご紹介。
奥さんが家の壁に黒板がかけて磁石がくっつく壁が欲しい!って言ってて。
それなら作ろう!ってことで、家のサイズに合わせ特注した1.6mm厚のボンデ鋼板を使って、娘と一緒に黒板塗料DIYに挑戦。
まずは、はりたい壁のサイズを採寸してその壁の大きさ通りにボンデ鋼板を特注。
ボンデ鋼板の裏に、両面テープとボンドを塗って貼り付けの準備。
ちなみにこれは娘としてないですよ(笑)
事前に工事中に僕と監督で張り付け。
一旦事前にここまで完成させて。
塗装をしていきます♪
手順はこちら:
1・表面をペーパーでこすって傷をつけて、その後シンナーで脱脂(表面の汚れをまずはきれいにする)
2・ミッチャクロンでプライマー下塗り
(下地の表面はつるつるしてるためそのまま塗るとはがれやすいので、密着できるようなプライマーを先に塗る。簡単に言うと接着剤みたいな感じかな)
3・黒板塗料を2回ローラー塗装(タカラ塗料製のオリジナル色:kuraya old blue sea色)
(ローラーは毛の短いものを使用するとムラが少なくておすすめ♪)
2025年現在は中学三年生になった娘ですが、この時は小学校1年生。
まだまだかわいい盛り(笑)
お父さんのお手伝いをするって、めっちゃ張り切ってくれてました♪
こんな感じで子供でも簡単に塗れますw
途中からぼく、居藏もヌリヌリ。
結構むらなく、切れに塗れたと自負(笑)
4・一晩乾燥
5・最後にチョークで“ならし処理”
完成した黒板ボードには
・学校の時間割
・おかあさんへのメッセージ
・お絵かき
…などが並び、にぎやかな壁になってます♪
「素材は硬いけど、思い出はやわらかい(笑)」 そんな時間が過ごせるのも、ボンデ鋼板の“裏の顔”かもしれません(知らんけど~)
詳しい様子は ▶ 娘との思い出|藏家 にも書いてます。
🔧 DIY塗料選び:タカラ塗料の黒板塗料はどう?
黒板塗装DIYにおける塗料の選び方も気になりますよね。
僕が実際に使ったのは、大阪西成の「タカラ塗料」さんの水性チョークボードペイント。
特徴と使い心地を詳しく紹介します。
・カラーラインナップ豊富
レトロなパステルカラー全13色展開で、塩ビクロスや木材などにも対応
・水性で臭い控えめ
F☆☆☆☆取得:子どものいる空間やリビングにピッタリ
・塗りやすさと乾燥の速さ
水で薄めてもOK、指触2時間、完全乾燥12時間と手軽
さらに、「ビターチョコレート」「ダークブルーベリー」など、深い色味でもチョークのコントラストが映えるのも◎。
これで、うちの黒板DIYがより“映える”塗装になりました!
ボンデ鋼板の加工・施工上の注意点
・切断時のバリに注意
エッジが鋭利になるのでヤスリや角取りが必要(注文時にこれは工務店が指示してるので一般の方は気にしなくていいかも)
・ 切断面の処理を忘れずに!
切り口にはメッキが無いため、錆止め塗料などの処理を。
・ 溶接OK、ただし換気必須!
亜鉛が加熱されると有毒ガスが出るので、作業時はしっかり換気を。
・ 塗装は下地命!
素地が滑らかすぎる場合は、ペーパーがけ+プライマーで密着力UP
・厚み選びも重要
DIYなら1.0〜1.6mm程度が扱いやすい
ボンデ鋼板 vs 他の鋼板との比較
材料名 | 特徴 | 耐食性 | 加工性 | コスト | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ボンデ鋼板 | 電気亜鉛メッキ | ○ | ◎ | ◎ | 屋内向け |
溶融亜鉛メッキ鋼板(SGCC) | 厚めのメッキ | ◎ | ○ | ○ | 屋外OK、見た目粗め |
ステンレス鋼板 | 錆びにくい高級素材 | ◎ | △ | × | 高価格 |
アルミ板 | 軽量で非磁性 | ○ | ○ | △ | 磁石不可 |
鉄(SS400) | 無塗装では錆びやすい | × | ◎ | ◎ | 塗装前提 |
ボンデ鋼板は、コストと加工性、見た目のバランスがよく、特に屋内用途には最適な選択肢と言えるでしょう。
磁石がつくという点でも、マグネット収納や黒板用途との相性は抜群です。
ボンデ鋼板についてよくある質問Q&A
Q1. ボンデ鋼板は屋外でも使えますか?
→ 基本的には屋内用途推奨。外部で使うなら塗装+防錆処理をしっかり。
Q2. 磁石はどのくらいの強さでくっつきますか?
→ 通常のホワイトボード程度。強力磁石なら書類も重ねてOK。
Q3. 黒板塗料を塗る時のコツは?
→ 下地処理が命です。ペーパー掛け、シンナーなどで脱脂 → プライマー(ミッチャクロンなど)→ 黒板塗料の順に丁寧に。
Q4. 黒板塗料は何を選べばいい?
→僕が使ったのは大阪の西成にある「タカラ塗料」さんのチョークボードペイントを使用。
ここの黒板塗料はいろんな色があって、みどりの黒板の概念を覆してくれます(笑)
Q5. 切断はどうやってする?
→ 金切りバサミ(薄板用)、サンダー、板金用バンドソーなどが使えます。(一般の人は基本的には無理だと思いますよ)
まとめ:ボンデ鋼板は“つくる楽しみ”を支える素材
ボンデ鋼板って、見た目はちょっと地味かもしれません。
でも、新築でもDIYでも現場でも、ほんまに「使える」やつなんです。
家の裏側を支えたり、表の壁にマグネット掲示板として馴染んだり。
親子で塗って書いて、暮らしの中に“書ける余白”を残してくれたり。
建築のプロにも、家づくりに関心のある人にも、これからの暮らしの中で、もっと自由にボンデ鋼板を取り入れてもらえたらうれしいです。
見た目はただのグレーの鉄板。
でも、工夫と発想しだいで、暮らしの中に役立つパートナーになってくれる。
現場で日々素材と向き合っているからこそ、「これはええんちゃう♪」と思える素材。
それが、ボンデ鋼板です。
ぜひみなさんも、自分らしい使い方で、この“万能な鉄板”を楽しんでみてください。