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マンションの二重床って?メリットデメリットについて

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みなさん、マンションの二重床(乾式二重床)って聞いたことありますか?


また、二重床ではない、「直床(じかゆか)」は聞いたことありますか?


同じマンションの床でも種類があるのはなぜ?
二重床のメリット・デメリットは?
マンション購入の際には、間取りや動線、階数などは気にしますが、床の構造を気にする人ってなかなか少ないですよね。
でも、何年も何十年も住むマンションのこと。
床もふくめ、隅から隅までしっかり把握して購入したくないですか??(多分難しいと思いますが・・・・)
今回のブログでは、二重床とは何か、二重床にするメリット・デメリットなどについてご紹介していきます!
マンション購入ご検討の方、ぜひ参考にしてください!

マンションの二重床ってどういうものなの?

二重床とはその名の通り、床が二重になっているのですが、ポイントは、土台になるコンクリート部分、「コンクリートスラブ」の上に支柱を立て、その上に床材を貼り、床材との間に空間を設けている床のことです。
これを「置き床工法」(二重床とか乾式二重床)といいます。

置き床工法(二重床とか乾式二重床)でできたコンクリートスラブと床の間の空間には、給水管、排水管、ガス管、などを通すことができます。
点検口を床に設けることでメンテナンスもしやすく、修理が必要な時にも対応がしやすくなります。
ちなみに、二重床とよく比較されるのが「直床」。
読んで字のごとく、コンクリートスラブの上に直接床張りをしている床のことです。

こんな感じで皆さんがよく目にする床材です。

二重床を販売しているメーカーには以下のような会社があります。
万協フロアー(https://bankyo.co.jp/index.html
竹村工業 (https://www.takemura.co.jp/just/index.html
フクビ化学工業 (https://www.fukuvi.co.jp/product/16
淡路技建  (http://www.awaji-giken.co.jp/

よく見るマンションの床材ってフカフカしてるけどなぜ?

マンションの内覧に行ったことがある方で、「え???この床、なんか普通の床とちがう!フカフカしてるんやけど!まさか…安物?」なんて思った方いてませんか?
マンションでトラブルの原因になるものとして「騒音」が一番メジャーではないでしょうか。
集合住宅であるマンションならではの問題ですが、そんなマンションには「防音規定」というルールがあります。
フローリングは音が響きやすいため、使うフローリング材の防音性能に指定のあるケースがある、ということです。(私が経験した物件は全て防音指定がありましたが)
あのフカフカの床の正体は、安物でもなく、間違いでもなく、きちんと防音機能がついた床なんです。
合板フローリングにスポンジのような遮音材をつけているので、フカフカとした感触になっているんです。
このような遮音材のあるフローリングと、遮音材なしのフローリングでは、床に物を落としたり、子供飛び跳ねたりしたときの音の響き方が全く違います。
遮音フローリングのマンションに何年も住んでいた人が、遮音材無のフローリングの家に引っ越したところ、「物を落とした時の音の大きさが全く違ってびっくりした!」
という経験談もあるほど。
しかし注意したいのは、遮音フローリングは足音や物を落とした際の、床に対しての衝撃音を軽減するものであるということ。
楽器や人の声などの空気を伝わって響く音に対する遮音効果はありません。
空気を伝わって響く音を防音するには、壁に特殊な加工が必要になるので、お間違いなく…。

マンションリフォーム・マンションリノベーションにおける床衝撃音遮断性能確保

マンションリフォームでフカフカした床の上に無垢を張れると聞いたけど大丈夫なの?

答えはNO。
以前書いたブログでもご紹介していますが、遮音フローリングに無垢を張ると、遮音フローリングに使われている遮音材の効果が失われ、軽量床衝撃音低減性能が大幅に悪化してしまうんです。


この知識がなく、遮音フローリングの上にに無垢を張ってしまうリフォーム業者さんも結構?いるようです。
「マンションをリフォームしたのに、以前より音の響きがうるさい!」
なんてことも実際起こっているようです。
「すでに遮音フローリング張ってるからいいやん」
という考えで、リフォーム時に遮音フローリングの上に無垢を張ろうとする方もいらっしゃいますが、それは絶対にダメです。
快適、便利にするはずのリフォーム・リノベーションも、知識のないまま安易にしてしまっては、リフォーム・リノベーション前より環境悪化、なんてことにもなりかねません。
集合住宅に住む際のマナーとして騒音に対する配慮は最優先事項のうちの一つですよね。
ご自身でもしっかりと知識を付け、知識のある業者さんを選びましょう!
こちらのブログでは音響試験所で実験した時の動画も公開しています!
ぜひ参考にしてください!
↓↓↓
マンションリフォーム、マンションリノベーションにおける床衝撃音遮断性能確保

マンションの 二重床・直床の見分け方

さて、もしあなたがマンションの購入をご検討されているとして、リフォームしやすいことも考慮して中古、新築関わらず二重床のマンション購入をご希望だったとしましょう。
残念ながらマンションのホームページや不動産屋が提供する資料に、「床は二重床です!」と明記しているケースはあまりありません。
自分で率先して調べなければいけないのです。
ではどうやってそのマンションの床が二重床か直床かを見分ければいいのでしょう?
方法をお教えします!
リビングの掃き出し窓の下、サッシレール部分を見てください。

もし、サッシレールがフローリングと同じ高さ、または少し下がった位置にある場合は二重床です。
こちらは高層マンションで乾式二重床の上にカーペットを張っていました。

逆に、サッシレールが床から一段高い位置にあれば直床と言えます。
もう一つの見分け方は、フローリングそのもの。
フワフワとしたものだと、直床の場合が多いです。
また、分譲時にカーペットになっている部屋がある場合も、直床の可能性が高いです。
簡単に見分け方を説明しましたが、自己判断だけでは「絶対」ではないということをお忘れなく!
契約を考えている物件に関しては、不動産やマンションの販売業者に確認することをオススメします。
 

関西はケチ!?関西は直床が多い?(ちょっと余談)

関西のマンションでは、関東のマンションにくらべ直床を採用している数が多いという統計結果があります。
更に詳しく調べると、関西の直床のマンションのディベロッパーには、大手が圧倒的に少ないということがわかりました。
(やはり大手ディベロッパーは関東に集中するんですかね…)
要するに…。二重床にすると、そのぶん階高を高くしなければなりませんよね?
そうすると必然的にコストも高くなってしまいます。大手ディベロッパーであればそのコストも問題なく出せるのでしょうが、大手でない会社にはなかなか厳しいのも事実。
そしてコストがかかる分、販売価格も高く設定しなければならないのです。

以上の結果から、関西人がケチ!というわけではないことがわかりました。
そうですよ、関西人は決してケチというわけではありませんよ!(笑)

なぜ二重床と直貼りがあるのか?

昔建てられたマンションはほとんど直床だということを見てもわかる通り、二重床は比較的新しい工法だと言えます。
詳しくは後述しますが、二重床だとリフォームしやすいというメリットがあります。
「マンションは仮の住まいで、いずれは戸建てを終の棲家に」、という考え方は変わり、マンションも長く快適に住めるようになった現在では、子育てがひと段落したらリフォーム・リノベーションをしたいと考える人も多くなりました。
直床は歴史的にも長い工法で、現在でも多くのマンションで使われています。
新築マンションでも直床のマンションがある理由としては、コストの問題。
こちらも後述しますが、二重床の場合は階高を高くしなければいけなくなる分コストもかかります。

鶴見区N様邸乾式二重床施工事例
しかし直床であればそのコストを抑えられ、販売価格も二重床のマンションより安く売ることができます。
どちらの工法にもメリット・デメリットがあり、どちらの工法で作られたマンションにもニーズがあるため、新築マンションでも二重床、直床の2種類があります。
さて、では二重床にするメリット・デメリットとはどんな物でしょう…?

二重床にするメリット・デメリット

メリット

二重床のメリットとして挙げられるのは、
・配管系のメンテナンスのしやすさ
・リフォームのしやすさ
が挙げられます。
前述したように、二重床の場合、コンクリートスラブと床材の間にある空間に給水管やガス管などを設置することができ、床に点検口を設けることによりメンテナンス、修理がしやすくなります。
そしてその利点に付随するメリットがもう一つ。
それは、リフォームしやすい、ということです。
配管、電気配線を動かしやすいということは、リフォームの際に間取りも変えやすいということ。
昔に建てられたマンションではなかなかできなかったことですが、二重床が用いられるようになり、マンションでもリフォームで間取りを大きく変えることもできるようになりました。
また、直床のマンションに住んでいる人全員が感じることとは言い切れませんが、「直床だと下の階の天井に付けられた照明の熱が床に伝わってきて夏場は暑い」などという意見もあります。(あくまで参考程度で)
二重床だと、下の階の天井と、自分の部屋の床の間に隙間があるので、熱が伝わってくることはありません。

デメリット

デメリットとしては、遮音性についてが挙げられます。
「床が二重になっているなら、遮音性も直床よりすぐれているはず!」
という誤解が二重床にはあります。
二重床の場合、コンクリートスラブと床材の間に空間があるため、床で飛び跳ねたりする「ドスン」という衝撃が、スラブと床材の間にある空気を伝わって広範囲に伝わってしまいます。
これを「太鼓現象」とよび、直床よりも音が伝わりやすいというデメリットがあります。
空気の逃げ場がないと起きる現象なので、比較的新しい二重床工法では、空気の逃げ場を作ってこの現象を緩和していますが、やはりどうしても直床で遮音フローリングを張った床に比べると、遮音性は劣ってしまいます。


ポートアイランドY様邸施工事例
ただし乾式二重床と壁の間をちゃんと開けて太鼓現象にならないように施工すれば遮音性能が落ちる事はありません。
また、さきほどの関西人はケチか?(ケチじゃない!)のところでもお話ししましたが、二重床にすると床の高さが高くなる分、階高を高くしなければ天井が低くなってしまいます。
階高を高くするということは、それだけコストがかかります。
物件販売価格自体も、もちろん上がってしまいますね。

まとめ

二重床について色々ご説明いたしましたが、参考になりましたでしょうか?
二重床も直床も、どちらもメリット・デメリットがあり、どちらがどちらより優れている、とは簡単に言えません。
将来間取りを大きく変えるリフォームを考えている、という方は配管などを動かしやすくリフォームしやすい二重床のマンションがオススメ。
リフォームの予定はなく、床の遮音性に優れている物件で、購入価格も抑えたいという方には、直床のマンションが向いています。
ただ、もし今現在あなたがリフォームを考えていて床材を無垢にしたいという場合は、あのフカフカの床材の上に無垢を張ることはできないので二重床のマンションでないと難しいと言えます。
一生に何度もする買い物ではない、住宅購入。
ご自身、ご家族のニーズや生活状況など、今のことはもちろん、将来のリフォームの可能性など長期のスパンで考慮してご検討くださいね!


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