マンションのリフォームで床は重ね張りをしてもいいの?
マンションをリフォームする際には壁や間取りだけでなく、床もリフォームすることが多いですよね。
一言に「床をリフォームする」といっても、方法も1つではなく、またそれぞれの床に適した方法があります。
しかし、マンションリフォームの床についてはちょっと注意が必要。
今回のブログでは、床のリフォームの方法について特にマンションの床のリフォームに関して詳しく解説していきたいと思います!
近々床のリフォームをする予定の方も、マンションはまだ買ったばかりという方にも有益な情報ですのでぜひ最後まで読んでみて下さい^^
目次
マンションの床をリフォームする工法とは?
マンションの床をリフォームするには、メジャーなものとして2つあります。
1つは「張り替え」。
もう一つは「重ね張り」です。
それぞれの工法でメリット・デメリットがあり、また張り替えしか行えないタイプの床もあるので、それぞれのやり方や特徴を説明しますね!
張り替え
張り替えとは、今ある床を全てはがし、全く新しい床を張ることです。
もちろんカーペットからフローリングへ、また畳からフローリングへリフォームする際ももともとあったものを全てはがします。
張り替えのメリット
張り替えを行うことのメリットは
- 段差がなく、仕上がりが綺麗
- 下地の痛みも張り替えの際に直すことができる
という点です。
張り替えをするということは、床の高さが変わりません。
ということは、ドアの下部分の高さを調節せずに済みます。
また、床を全てはがすので張り替えの際に床下地をきちんと確認し、もし修繕が必要な箇所があった場合は修繕できるのも張り替えのメリットです。
張り替えのデメリット
デメリットとしては
- 施工費が高い
- 工期が長い
- 解体の際の騒音
という点が挙げられます。
張り替えをする場合は、はがした床を廃材として処分しなければならず処分費がかかります。
またマンションの上層階で廃材を運び出すのに手間がかかる場合は搬出費用がかかる可能性もあります。
そしてこの床をはがすという作業に時間がかかるのも、張り替えのデメリットと言えるでしょう。
ウレタンボンドを使って床を固定している場合は、下地にウレタンボンドが残ってしまうことがほとんどなので、それを削り取る作業も必要になってきます。
ここをきちんとしておかないと、新しく張る床の施工精度が著しく低下してしまう恐れがあるんです。
このため、重ね張りと比べると工期がどうしても長くなってしまいます。
また、解体をするため、少なからず騒音が出ることにも注意です。
張り替えリフォームをする際はトラブルを避けるために、前もって近隣の住人に騒音が出る旨をきちんと説明しておくことが大切です。
重ね張り
読んで字のごとく、既存の床に新しい床を重ねて張ることを「重ね張り工法」と言います。
この工法のメリットに関しては、張り替え工法のデメリットの逆とも言えますが、デメリットについては少し違う点もあるので詳しく解説していきます。
重ね張りのメリット
重ね張りのメリットは
↓
- 解体費用・撤去費用がかからない
- 工期が短い
という点です。
既存の床の上に新しい床を張り付けるので、古くなった床をはがしたり撤去する必要がないため、費用は張り替え工法に比べ抑えることができます。
また、撤去する必要がないため、工期もその分短縮できるというメリットがあります。
重ね張りのデメリット
デメリットとしては、
- ドア下部分の高さの調整が必要
- 床暖房の場合、暖房の効きが悪くなる
- 巾木を交換しないと床なりすることもある
などがあります。
既存の床の高さで調整されているドアが、重ね張りすることによって上がった床の高さに干渉してしまうため、ドアを取り外して調整する必要があります。
しかし昔の木造住宅の場合、建具の下の敷居が一段上がってることが多くフローリングを重ね張りすることにより敷居とフラットになる場合もあります♪
元々がフラットの場合、費用はそこまでかからないにしてもドアの下部分を削らなければならないということを覚えておきましょう。
また、削ってしまった部分は元にはもどらないため、10年後に再度リフォームをし、その時に張り替えを選ぶと今度はドアと床の間に大きな隙間ができてしまう可能性もあります。
床暖房がついている場合は、重ね張りをすることによって暖房の効きが悪くなるというデメリットがあります。
重ねて張る床のタイプにもよりますが、重ね張りする前と後では少なからず効きは悪くなると思っておいたほがいいでしょう。
もう一つのデメリットは、巾木を交換しない場合に起きうるものです。
巾木とは壁の下側にある、すこし出っ張った部分のことを言います。
費用をおさえるためにこの巾木を交換しないで重ね張りすると、重ね張りした床が伸縮することによってこの巾木との間に隙間が出来たり、逆に当たったりして床なりしてしまう可能性があるのです。
重ね張りをする場合でも巾木は交換することをオススメします。
それぞれの費用はどれくらい?
それぞれの工法でリフォームを行う場合、費用は一体どれくらい違うのでしょうか。
ここでは6畳の部屋の床をリフォームすると仮定して、張り替え、重ね張りのそれぞれの値段をご紹介します。
張り替え | 重ね張り | |
費用 | 20~30万 | 10~15万 |
う~ん、張り替えの場合は、重ね張りの約2倍かかるということですね。
(あくまで仮なので参考までに)
【注意!】床の種類によっては重ね張りができない!
さて、では床のリフォームは一体どちらを選べばいいのでしょうか・・・。
基本的に、戸建ての床であればどちらを選択することも可能です。
しかし実は、床の種類によっては重ね張りができず「張り替え一択」という場合もあります。
ここではどんな床が重ね張り不可なのか、またなぜ重ね張りができないのかをご説明いたします。
重ね張り出来ない床の種類とは?
重ね張り出来ない床の種類とはズバリ!!マンションのフローリングに使われているクッション性のある床。
マンションの床って、少しフカフカしていますよね?
マンションは下の階の部屋に音が響かないよう、わざとあのフカフカの床材をつかっているのです。
マンションではLL-45(スプーンを床に落とした音など、比較的軽い衝撃音のこと)を守らなければいけないという規定があり、その規定を守るためにあの床材が使われているんですね。
そう、あの柔らかさで音を吸収し、遮音性能を確保しているのです。
クッション性のある床に重ね張りをするとどうなる?
以前遮音の検査機関を見学した時のブログでも書いていますが、遮音性のあるフロアの上にさらに重ね張りをすると軽量床衝撃音低減性能が大幅に悪化してしまうんです。
要するにせっかく遮音のためのフカフカの床が、意味を持たなくなってしまうということです。
重ねて張ったから遮音性・防音性がさらにアップする!
というふうに、単純にはいかないんです。
こうならないために、マンションの床をリフォームする際は張り替え工法を選ぶことをお勧めします。
↑こちらのブログで実際どれくらい音が違って聞こえるかを体験した内容をご紹介しています!
面白いのでぜひこちらもご覧ください♪
他にリフォームの方法はないの?
張り替えをする以外にオススメのリフォーム方法があります。
それが、乾式2重床にして無垢のフローリングを張るという方法。
え、マンションに無垢のフローリング?
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、マンションでよくみるクッション性のある床材ははがれやすく、10年もたたないうちにベローンと捲れてくることも。
その点無垢のフローリングであれば捲れる心配もなく、時間が経てば経つほど味わいもでてきます。
でもここで心配になるのが、遮音性。
ご心配は無用です。
乾式2重床にすることによって遮音性がとれるため、その上に張る床材はあのフカフカの床材じゃなく、無垢のフローリングでも大丈夫なんです。
お値段は少し高めにはなりますが、クッション性のあるフローリングにして10年後にまたリフォーム・・・と考えると費用的にはあまり差はありませんよ!
これについては以前詳しく解説しているブログを書いているのでぜひそちらもお読みいただければと思います!
マンションの床の重ね張りまとめ
戸建てでもマンションでも、床のリフォームは遅かれ早かれしなければいけないときが来ます。
その際に、戸建であれば「張り替え」「重ね張り」のどちらを選択することも可能ですが、注意してほしいのがマンションの床。
マンションの床がフカフカの床材の場合は、残念ながら重ね張りはできません。
マンションは下の階に音を響かせないようにすることがとても重要ですよね。
お互いが気持ちよく暮らすために、床材にも工夫がされているんです。
重ね張りをしてしまうと、せっかくの床材の特徴を殺してしまうことに。
費用は少し高くなってしまいますが、マンションの床をリフォームする際は張り替え、もしくは乾式2重床の上に無垢のフローリングを張る、とう方法をオススメします。
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