コーキングってなに?
皆さんがパッと聞いて、コーキングといわれるとどんなものを想像されますか?
コーキングの事を、シーリングと呼ぶ方もいるかもしれませんね。
そう、キッチンの壁との隙間や洗面台の壁との隙間に打ってるあの、白いのとか透明なやつのこと。
切って引っ張るとゴムみたいな感じで。
賃貸とかだとカビなんかが生えたりもしてたり(笑)
そんなコーキングですが、実はキッチン周りだけでなく、さまざまな場所に使われているんですよ!!
実際どんなところで使われていて、どんな用途があるのか?
今回はそんなコーキングの事について書いてみたいと思います。
目次
そもそもコーキングとは何?
コーキングとは、住宅などの建築物において、気密性・防水性の向上のために隙間などを充填するものです。
その充填する材料を、コーキング材、コーキング剤などと呼び、単純にコーキングと呼ぶこともあります。
コーキングのほかに「シーリング」という言葉もよく聞きますよね。
場所、会社などによっては、
シーリング=あらかじめ形が決まっているもの
コーキング=チューブ容器に入っていて、コーキングガンを用いて施工するもの
という風に使い分けているところもあるようですが、厳密にいうとコーキングもシーリングも同じ意味で使われます。
一言でコーキングといっても、その種類はたくさんあります。
次のセクションで、コーキングの種類について詳しくご紹介します。
コーキングの種類はどんなのがある?
コーキング材はまず、大きく以下の2つの種類に分けることができます。
・1成分形(1液性)
・2成分形(2液性)
この二つの違いは、主に「乾燥、または空気中の水分と反応して硬化する」または「化学反応を起こして硬化する」ということ。
使い方の違いとしては、
1成分形→缶タイプやチューブタイプなどがあり、コーキングガンを用意する必要がある場合もありますが、比較的準備が簡単で、部分補修などに最適。
- 2成分形→主剤、硬化剤とにわかれており、専用の攪拌機で混ぜ合わせます。
手間はかかりますが、量を多く作ることもできるので、広い範囲などに使う場合はこちらのほうが便利です。
↑
こんな機械で現場で混ぜたりしてます♪
ただし・・・
2成分形は、素人が扱うと硬化不良を起こす可能性も。
せっかくやったのにコーキングの意味がなければ元も子もないので、できれば業者に依頼したほうがいいですね!
1成分形(1液性)のコーキングにはどんな種類がある?
大きく分けると2種類(1成分形・2成分形)あるコーキングですが、そこからさらに細かく分類することができます。
1成分形はさらに以下のような3つに分類することができます。
・湿気硬化型
・乾燥硬化型
・非硬化型
湿気硬化型
湿気硬化型のコーキングは、空気中の水分と反応して固まるコーキングです。
シリコーン系、変成シリコーン系、ポリウレタン系、ポリサルファイド系などがこの湿気硬化型に分類されます。
乾燥硬化型
揮発乾燥によって硬化するコーキングを、乾燥硬化型といいます。
この乾燥硬化型には、アクリル系、ブチルゴム系があります。
非硬化型
このタイプは、コーキングの表面に酸化皮膜を形成し、内部は硬化しないタイプです。
マスティックタイプとも呼ばれ、油性コーキング材がこれに属します。
2成分形(2液性)のコーキングにはどんな種類がある?
主剤、硬化剤を混ぜて作るこのタイプには、
・混合反応硬化型
があり、変成シリコーン系、ポリウレタン系、ポリサルファイド系、シリコーン系、ポリイソブチレンがあります。
化学反応によって硬化するもので、さきほども言ったように扱いが少し難しいです。
どういった場所で使うの?種類によって用途は違うの?
コーキングにはさまざまな種類があることがわかりました。
では、場所や用途によって、どのように使い分ければいいのでしょうか。
ここでは、
・水回り
・内装
・ガラス、サッシ
・屋根
・外壁のひび割れ
のそれぞれに適したコーキングをご紹介します。
水回りに適したコーキング
水回りのコーキングに適しているのは、シリコーン系のコーキング。
シリコーン系は、耐水性・耐熱性に優れているうえ、比較的価格が安いのが特徴。
ただし、充填後にシリコンオイルが出るので、周辺が汚れやすいというデメリットも。
また、シリコンオイルが出るため、上から塗装することもできません。
そのため、外壁には適していないコーキング材です。
また、ポリサルファイド系のコーキングは配管、ダクト周りの目地に使用されることがあります。
ポリサルファイド系コーキングの特徴としては、硬化後にゴムのような弾力性を持つ点です。
内装に適したコーキング
柱や、木枠と壁の間などの内装に適したコーキングは、アクリル系や変成シリコーン系です。
アクリル系は水性タイプで価格が安いのがメリットですが、硬化後に肉やせが起こる可能性が高く、耐候性、耐久性が高いとは言えません。
僕らがよく使うのは、このジョイントコーク♪
クロスの隙間などに誰でも、簡単に埋めれるので結構重宝してます^^
水性なので、はみ出したら濡れた布でふき取れば取れるのも便利です。
ウレタン樹脂を原料とした変成シリコーン系は、耐候性、塗装性ともに優れており、さまざまな用途に用いられます。
ただ、シリコーン系に比べると耐久性は少し劣ります。
ガラス、サッシに適したコーキング
ガラス周りや、サッシに適しているコーキング剤は耐水性のあるシリコーン系、変成シリコーン系のコーキングです。
屋外に使う場合は特に耐候性が求められますが、これら2つのコーキングは耐候性が優れており、また変成シリコーン系であれば塗装も可能なので外装にも適しています。
最近はこのノンブリードのシーリングをすることが増えてます。
余談ですが、ブリード現象とは?
コーキング(シーリング)を打った所の上に塗装した場合、施工から1~2年で表面にひびが入ったり、変色したり、ボロボロになったりすることがあるんです。
コーキング(シーリング)の耐用年数からするとそんな早く劣化することは、考えにくいんです。
実は、コーキング(シーリング)材の割れなどの防止を抑制するものとして含まれている可塑剤が塗料と化学反応を起こして現れる現象だそうです。
これを「ブリード現象」といいます。
なので、ブリード現象を防ぐためには、コーキング(シーリング)の上にプライマーを塗るか、ノンブリードのコーキング(シーリング)を打つ方がよさそうですね^^
屋根に適したコーキング
屋根にコーキングを用いるなら、耐候性、耐水性、また塗装も可能であることが条件であることはすぐにおわかりですよね?
ですので、屋根に適したコーキングは変成シリコーン系ということになります。
外壁のひび割れに適したコーキング
塗装ありの場合はアクリル系のコーキングが最も適しています。
特にアクリルシリコーンを配合したものであれば、かなりの耐候性が望めます。
また、変成シリコーン系も外壁のひび割れに使用することができます。
こちらも硬化後に塗装が可能なので、コーキングを充填し、硬化したあとであれば外壁を塗装することができますよ。
コーキングの寿命はあるの?
コーキングの寿命は、一般的に5~10年と言われています。
しかし近年では耐久性、耐候性の高いコーキング剤も開発されています。
だからといって何十年もほおっておくと、亀裂が入ったり弾力がなくなってしまうので、定期的なメンテナンスが必要となってきます。
コーキングの寿命だな、と判断する劣化の症状
コーキングの劣化症状にはいくつか種類があるので、ご紹介します。
ご自宅のコーキングをみて、当てはまる場合はメンテナンスの時期ということなので参考にしてくださいね!
肉やせ
コーキングに弾力性を持たせるための可塑剤というものが表面に溶けだし、コーキング自体の厚みが減少することを「肉やせ」といいます。
放っておくとひび割れや断裂に繋がってしまいます。
チョーキング
外壁のコーキングを触ったときに、粉のような物が指についたという経験がある方は多いのではないでしょうか。
それは、コーキングの成分の1つ、「顔料」が表面に浮き出てきている状態です。
そしてこれも、劣化症状なんです。
ひび割れ
紫外線などの影響でコーキングの弾力性が失われ、家の揺れに追従できずにひび割れが発生することがあります。
これは放っておくと雨水が家に入ってくる危険性があるため、早急にメンテナンスを行ったほうがいい症状です。
破断
ひび割れがさらに進行してしまった状態。
メンテナンスの緊急性が一番高い劣化症状ですので、ご自宅で見つけた場合は即対応しましょう。
コーキングってどうやってはがすの?
それでは、寿命がきてしまったコーキングをはがすのはどうすればいいのでしょうか。
DIYでコーキングをはがす場合、用いるのは
・カッター
・ラジオペンチ
・スクレーパー
など。
それでは、ステップごとに解説しますね。
1.劣化したコーキングの両サイドに切れ目を入れる。
2.コーキングがはがれた部分をペンチなどを用いて引っ張り、目地からはがしていきます。
3.コーキングをきれいにそぎおとす。
※古いコーキングが残っていると、新しいコーキングを充填しても断裂してしまう恐れがあるため、面倒でも古いコーキングをなるべく綺麗にに取り除く必要があります。
4.ホコリなどにも要注意
※古いコーキングだけでなく、ホコリや削りカスなどが残っていても、新しいコーキングを上手く充填することができません。
溝部に何もない状態にします。
コーキングをはがすこと自体はそこまで難しいことではありませんが、大事なのは「古いコーキングをなるべく残さないこと」これを怠ると、せっかく新しいコーキングを充填しても劣化が速くなってしまいます。
コーキングを打つコツは?専用のヘラはあるの?
コーキングを充填(打つ)ときに使うヘラは、さまざまなものが販売されています。
アマゾンなどでも取り扱っているので、用途に合ったものを探してみてくださいね。
安い物であれば500円ほど。
高い物でも3000円程度で購入できると思います!
また、コーキングを打っている様子を撮影した動画があるので、そちらもぜひご覧ください。
職人技!って感じで、感動します笑
コーキング屋さんのこの軽やかなコーキング打ちからの、へらでの押さえ。
連携プレイがいいですね♪
コーキングは養生が大事?
コーキングは、溝部分を埋めるためにするもの、ですよね?
要するに、溝部分以外にコーキングがついてしまうのはよろしくないんです。
なので、コーキングを充填する際は、養生が結構大切。
しかもこの養生、溝部分に入ってはいけないし、溝の縁から離れていてもいけない。
養生はマスキングテープを使って行うのですが、このマスキングテープを職人さんがすごい速さで貼っていく動画があるのでぜひご覧下さい。
すごくないですか?
迷うことなく、素早く貼っていきます。
ずっと見ていたくなってしまうのは僕だけでしょうか・・・笑
サイディングに使うコーキングは?
サイディング外壁やALC外壁とは、パネルを張り合わせて作る外壁のこと。
張り合わせるということは、各パネルの間に隙間ができてしまうんです。
隙間をそのままにしておくと、水が入ってきてしまいますよね。
そうならないために、コーキングは必須。
また外壁のコーキングには、揺れの負荷を緩和する、という役割もあります。
このように、サイディング外壁のお家では、コーキングがとても重要な役割をになっているんです。
サイディングに使うコーキングの種類
サイディング外壁やALC外壁のコーキングに最もよく使われるのは、変成シリコーン系のコーキング。
前述しましたが、変成シリコーン系は耐候性に優れています。
紫外線や雨風に晒される外壁ですので、耐候性はかなり重要ポイント。
また変成シリコーンは、塗装前でも塗装後でも使用することができるので、その点も外壁に多く用いられる理由となっています。
サイディング外壁のコーキングはDIYでできる?
最近はいろいろなことをDIYでされる方が増えてきました。
「よし、費用も抑えられるし、コーキングも自分たちでやってやろうじゃないか!」
と思われる方もいるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
外壁のコーキングの補修は
・範囲が広い
・養生が上手くいかず、他の所にこびりつき、取れなくなってしまう
・2階部分は梯子を使わねばならず危険
などの理由から、DIYでやることはおすすめできません。
危険が伴うのであれば、プロにお任せしたほうが安心・確実ですよ(笑)
コーキングのまとめ
いかがでしたか?
たかがコーキングと思われるかもしれませんが、実はとっても大切な役割を担っているコーキング。
身近にあるコーキングですが、場所や用途によってさまざまな種類があるんです。
プロの職人技の動画も楽しんでいただけたでしょうか。
あれを見ると、自分たちでやろう、っていう気が失せてしまいますよね・・・
(いいのか悪いのかはわかりませんが笑)
コーキングの寿命は意外と短いので、劣化症状を見逃さず、きちんと定期的にメンテナンスを行ってくださいね!