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壁の通気って必要なの?壁の通気のメリットデメリットとは

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皆さん「壁の通気」って聞かれたことはありますか?
新築を建てる上で今はほとんどの家に?施工してる工法じゃないでしょうか。

「え?外壁に通気なんて必要なの?」と思われる方もたくさんいると思います。

実はこの「外壁の通気」はここ10~20年ほどで考えられるようになった概念で、それ以上前に建てられた住宅にはこの工法は使われていません。

今回のブログでは、この「外壁の通気」について、仕組みやその工法がなぜ必要なのか?
また外壁を通気することによって得られるメリット・デメリットについてお話したいと思います。

ぜひ最後まで読んでみてください♪

外壁通気は必要?

約10年前まではなかった「外壁にも通気が必要」という概念。
ずっとなかったものがなぜ20年ほど前から必要だと考えられるようになってきたのでしょうか。
ここでは外壁通気はどんな家に必要なのか、またなぜ必要なのかについて解説していきます。

どんな家に必要?

外壁の通気が必要とされるタイプの家は、ズバリ「高断熱高気密(高気密高断熱)住宅」です。

高断熱高気密住宅大阪 気流止め・気密・断熱材の施工方法 

高断熱高気密住宅大阪 気流止め・気密・断熱材の施工方法2 

そして近年新築されている住宅はほとんど?(と思いたい)がこのタイプの構造となっています?そう願いたいw

高断熱高気密(高気密高断熱)住宅は、もともと寒さの厳しい北ヨーロッパで開発され、日本では北海道に最初に導入されました。
寒さが厳しい地域では暖房の熱を少しでも逃がさないよう、経済的、効率的な考えのもと高断熱高気密(高気密高断熱住宅)が開発されましたが、後に暑い時期のエアコンの効きもよくなることがわかり、日本全国に普及したのです。

日本で建てられてきた家屋はもともと暑い時期の風の通りを良くするため「壁が少なく間口が広い」というのが特徴でした。
冬は寒いですが、風通しがいいので湿気も溜まりにくかったのです。

しかし、地震が頻発する日本では壁の少ない家は倒壊の恐れが高いことや、上述したように断冷房の効きを向上させるため、昔ながらの家屋と比べて壁が多くまた高断熱高気密(高気密高断熱住宅)の住宅は日本でもあっという間に受け入れられるようになりました。(そう願いたいw)

このような高断熱高気密(高気密高断熱)住宅には、外壁の通気が必要とされています。
では、なぜ外壁の通気が必要なのか。
次のセクションではその理由をお教えします。

なぜ外構壁の通気は必要?

高断熱高気密(高気密高断熱)住宅になぜ外壁通気工法が必要か。
上述した内容から大体お察しのついた方もいるかと思います。

そう、それは「内部結露」。(ここでは壁体内結露と呼びます)

壁体内結露からグラスウールにカビが入った写真。

高断熱高気密(高気密高断熱)住宅は、冷暖房の空気がに逃げにくいため冷暖房費が押えられ、夏は涼しく冬は温かいというメリットがありますが、一方で湿気も溜まりやすいというデメリットがあります。

壁体内結露が発生してしまうと、壁内の木材が腐り

・カビが発生する
・建物の耐久性が低下する

などの影響が出てしまいます。
木材は乾燥していると耐久性もあり長持ちしますが、湿ってしまうと途端に耐久性がおち、カビが発生すると住人の健康面にも影響が出る恐れがあるのです。
このようなことを防ぐため、「外壁通気工法」が開発されました。

外壁通気工法ってなに?構造は?

では、「外壁通気工法」について見ていきましょう。

外壁通気工法は、まず透湿防水シートで壁を覆い、壁と外壁材との間に通気層を設ける工法のことを言います。

壁体内結露を防ぎ、建物の長寿命化を目的としたこの外壁通気工法は、壁と外壁材の間に空気が通る「通気層」を作ります。

この通気層には2つの働きがあります。

  1. 「防水」:外壁から進入した雨水などの水分が壁体内へ進入するのを防ぎ、通気層を通って排出する
  2. 「排湿」:室内および壁体内に発生する湿気を通気層を通して外へ出す

構造的にはいたってシンプルですが、この通気層を設けることで建物の耐久性をぐんと上げることができるんですね。

外壁の工法には種類がある!

日本の住宅に用いられる外壁の工法には主に2種類あります。
1つはこのブログでご紹介している「外壁通気工法」そしてもう一つは「直張り工法」。
それぞれの特徴をみながら、違いを確認していきましょう。

外壁通気工法

外壁通気工法は、上述の通り壁と外壁の間に通気層を設けて、空気の通りを良くし外からくる湿気および内側から発生する湿気を外壁内にとどめさせないようにするものです。

日本窯業外装材協会が2001年から全国の標準工法として提案している、比較的新しい工法です。

直張り工法

直張り工法は、外壁通気工法が提案されるまでは日本における標準的な工法でした。
この工法では柱の外側に防水紙を張って、そこに外壁を直接張り付けるので、通気層はありません。

外壁の直貼り工法の写真がなくてすみません・・・・


京都で見つけた柱に直接シートを張ってる現場
これは柱にシートを直接貼って通気胴縁を張るというハイブリットな工法ですが・・・

外壁通気工法の横胴縁と縦胴縁

外壁通気工法の施工において重要なのが、横胴縁と縦胴縁の扱いです。
外壁の仕上げ材を設置する際の下地として用いられ、胴縁に外壁の仕上げ材を固定して外壁を完成させるのです。

躯体と外壁の間に施工される胴縁は一定間隔に施工され、その胴縁と胴縁の間が通気層となるのです。
外壁の仕上げが縦張りの場合、胴縁は横張りになります。


外構壁の仕上げが横張りの場合、下地の胴縁は縦張りです。
ここで問題なのは横胴縁の場合。
横胴縁の場合、通気になりません。
どうするのか?

こんな感じで横胴縁は通気加工をしたものを使わないと風が抜けないんです。
もしくは、縦胴縁を施工した上に横胴縁を施工するという方法もあります。

外壁通気工法に用いられる見切り

外壁通気工法に用いられる「見切り」とは下の図に示されている通り、空気の逃げ道を確保するために設置するものです。
これを設置しないと、下から見たときにただ空間が空いているだけに見えますが、見切りを設置することにより見た目もすっきりします。

 

写真は、城東テクノ株式会社さん(https://www.joto.com/product/4-3)からお借りしました。
城東テクノ株式会社では、写真で紹介した見切りのタイプだけでなく、ほかにも用途によって異なるタイプの見切りを販売しています。

外壁通気工法のメリット・デメリットとは?

それではおそらく皆さんがもっとも感心があるであろう、外壁通気工法のメリット・デメリットをご紹介したいと思います。

高断熱高気密(高気密高断熱)住宅への設置が推奨されている外壁通気工法ですが、壁内結露を防ぐ以外のメリット、そしてこの工法を用いることによるデメリットはあるのでしょうか。

メリット

外壁通気工法を用いることで、壁内結露を防ぐことができることは前述しました。
また、それによりもたらされるメリットは

・建物の耐久性を上げる
・カビによる健康被害を防ぐ

ということもご説明しましたね。

壁が湿気を吸うと木材が腐ってしまいます。
腐った木材の耐久性は著しく弱くなってしまうため、これを防ぐことは建物そのものの耐久性を上げることにつながるのです。
また、湿ったり腐った木材にはカビが発生しやすく、このカビが木材の深部へと繁殖すると除去するのがとても難しくなってしまいます。

そしてこのカビが室内に進入して住人が日々吸い込む状況になると、喘息、肺炎、結膜炎などの原因となり、安全であるはずの室内が、健康に害を及ぼす環境となってしまうのです。
木材の腐食やカビを防ぐことができるのが、外壁通気工法の最大のメリットなんですね。

マンションでよく発生するカビって人にどんな影響があるの?これでカビや結露ともサヨナラ?


マンションの事で書いたブログですがカビが人に及ぼす影響のブログです。

 

デメリット

外壁通気工法には、多少デメリットもあるのも事実です。

主なデメリットは以下の通り。

・外壁の強度が落ちることがある
・通気層の分だけ建物が大きくなる
・火災時に通気層から火炎が広がる

外壁と柱の間に通気層を設ける外壁通気工法では、隙間があるため留め具の負担が大きくなってしまいます。
直張り工法と比べ、隙間のある外壁通気工法では留め具が衝撃を受けると外れてしまう可能性があるのです。

かなり大きな地震が起きた際には、外壁通気工法を用いた建物の外壁が落下したという報告もあります。

2つ目のデメリットは、狭小地に住宅を建てる際に特に気を付けていただきたいことです。
外壁通気工法を用いた住宅を建てる場合、通気層の分だけ壁の厚みが増し、その分建物自体が大きくなる、ということ。
もちろん何十センチも変わるわけではないのですが、狭小地などでは希望通りの住宅を建てられない場合も、可能性としてある、ということを覚えておいてください。

最後に、火災時に起きるデメリットです。

通気層は土台の水切りから空気を取り入れ、軒裏から排気するので、構造上「煙突」のような働きを持つことになります。
また、内部の木材は湿気がなく乾燥している状態であるため、通気口から火が入り込んでしまうと一気に建物が燃え上ってしまう可能性があるのです。
(あくまで可能性ですが実際にあり得る話です)

火事は絶対に起こしたくないですね。

外壁通気工法を行っているハウスメーカー

外壁通気工法を用いた住宅を建てているハウスメーカーには以下のようなところがあります。
一部ではありますがご紹介いたします。

・エス・バイ・エル
・SKホーム
・一条工務店
・住友林業
・三井ホーム
・アキュラホーム
・富士住建

ご確認いただけるように、大手の木造住宅ハウスメーカーのほとんどが外壁通気工法を採用しており、その普及率の高さがわかります。

外壁通気層にゴキブリやネズミが入らないか心配!

「隙間がある=ネズミやゴキブリが入る可能性がある」、と思って心配になりますよね。
たしかにこれらの生き物は隙間が大好きですし、ネズミに至ってはなんでもかじってしまうイメージなので、通気層に入り込んで木材をかじってしまわないか不安になります。

しかし、通気層の下部には「防鼠材」と呼ばれる「返し」が設置します。

こちらも城東テクノさまのHPからお借りしました。

板を坂のような角度で、地面から離れた部分に設置することにより、地面からは進入できなくなっています。
ある住宅メーカーのアンケートでも、ネズミの被害はいままでに1件も報告されていないそうですよ。

ちなみに、ゴキブリやアリの住宅への進入は残念ながらどんな工法の住宅でも可能性があるようです。
「外壁通気工法だから進入した」「直張り工法だから進入しない」などとは言い切れないようですね・・・。

ゴキブリを完全にシャットアウトできる工法が開発されることを切に願います。

外壁通気工法の外壁の塗り替えはどうすればいい?

外壁の塗り替えは、通気工法か直張り工法かでその方法が異なります。
実は、直張り工法で施工された外壁は、塗り替えではなく「張り替え」が推奨されています。

理由は、直張り工法は20年ほど前には日本で標準的に施工されたいた方法なのですが、これだとやはり壁内結露が起こってしまい、外壁内側の木材が腐ってしまっている可能性が高いのです。

ですので、塗り替えをしようと思った時期に、通気工法に張り替えることをおすすめします。
(と言っても費用もかなり掛かってしまうので・・・・どうなんでしょうね。)

一方、通気工法の外壁は塗り替えで問題ありません。
内部の木材が腐っている心配はないので、わざわざ張り替える必要もなく、コストも押えることができます。
これもメリットの1つと言えるかもしれませんね。

もちろん外壁自体の状態が悪い場合も、そのまま通気工法で張り替えをすることができますよ。

外壁通気工法まとめ

いかがでしたか?
比較的新しい工法である外壁通気工法ですが、日本の住宅が高断熱高気密(高気密高断熱)住宅が主流になってきたことを受け、この工法もかなり普及してきました。
昔ながらの工法で建てられる日本家屋にはもちろんこの工法は必要ありませんが、高断熱高気密(高気密高断熱)の住宅だからこそ起きる可能性のある壁内結露を防ぐには、この工法が最も適したものだと言えます。

デメリットがあることも事実ですが、それ以上に、快適な家で快適な生活を送るためにはこの工法が一番だ、ということがわかりましたね。

 

 

 

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